[映画]1919年のゲイ映画「ディファレント・フロム・ジ・アザーズ」1
映画「Different from the Others (ディファレント・フロム・ジ・アザーズ)」
1919年ドイツ 46分
監督:リカルト・オズヴァルド
脚本:マグヌス・ヒルシュフェルト/リカルト・オズヴァルド
と、言うことで、今日は1919年の夏、今から約100年前に制作・公開された、ゲイが主役の映画「ディファレント・フロム・ジ・アザース」のご紹介。おっと、この映画、ドイツ映画です。タイトルは英語じゃないです。原題は「Anders als die Andern」。ドイツのマグヌス・ヒルシュフェルト博士が脚本を書いています。
えええ、100年も昔にゲイの映画があったんですか!?
はい、ありましたさ。
んっとね。
一般的にゲイムーブメントの始まりは1969年のストーンウォール事件から。さっすがアメリカ~、アメリカの人権感覚はすごい~、アメリカは素敵ね♪、と認識されているんですが、実は実は全然そうじゃないのよ、というのが最近の色々の傾向です。
時はそれより遙か50年前。
ヨーロッパはドイツ。
そこでこの映画は作られました。
うむー、って、そもそもどんな時代なのよ?
第一次世界大戦と第二次世界大戦、いわば「大戦間時代」と呼ばれる時代。
つかの間の平和と自由が花開いた時代です。
ドイツではこの後、あのナチスが政権を握るのね。
イメージ分かりづらっ!
えーと、日本で言えば、嗚呼大正浪漫の頃よ!
モボ・モガよ!銀座でアイスを食べるのが超おしゃれさんだった時代よ!
海外は大雑把に映画「グレート・ギャッツビー」の時代だと思いねえ。
ディカプリオよ、ディカプリオ。
実はこの時代、想像する以上に「科学」が世の中の基準になっていました。19世紀、大雑把にヴィクトリア時代は、古くさい服や慣習が一杯だったけど、20世紀は全然違う!20世紀は科学の時代!近い将来、ロボットが力仕事をして、ロケットが空を飛び、万能放射線でどんな病気も治せるようになるんだから!
というのが、その頃の人々の感覚。
もっと平たく言えば、19世紀はコルセットでぎゅうぎゅうにウェストを締め付けるのが最高のおしゃれ(だけど不健康で不自由。身動きなんか出来やしねえ)で、20世紀はそんなもの身につけませーんって言うココ・シャネルの時代です。
ファッションも変わったわよねえ。最近の服は昔と違って断然動き安いわあ。お婆ちゃんたちが着てたドレスなんて、あっちこっちぎゅうぎゅう締め付けるのよぉ。信じられなーい。絶対に着るの嫌ぁ、そんなのが人々の時代感覚。
おー、ウィー、パリー(*´∀`*)。
で、脚本を書いた、マグヌス・ヒルシュフェルトって誰?????
ドイツのマグヌス・ヒルシュフェルト博士は「人間の性の科学的研究」をしていた、「性の科学者」です。
彼はドイツの刑法175条の撤廃を念頭に置いてこの映画を作りました。
「性の科学」?????
「刑法175条」????
ヒルシュフェルトは当時ドイツで「性」の研究をしてたの。
同性愛とはなんぞや、とかね。
先ほど書いた通り、20世紀は科学の時代だもん!科学の子だもん!
で、当時ドイツには、「きぃいいいいっ、同性愛なんて汚らしい!犯罪よっ、犯罪っ!ヾ(≧血≦)ノ」ってな刑法175条というのがありまして。
彼はその撤廃を訴えてもいたのでした。
そのことが念頭に置かれた映画なの、この映画。
なのでザッツエンターテイメント!ではなく、とっても教育的です。
お教育映画。
まあ、あらすじは後ほど。
しーかーしー。
ヒルシュフェルトについてはWikipediaがむっちゃ素敵なの♪
市川、このWikiにずっと恋してるの♪
誰なのこの記事を書いた素敵な王子様お姫様は!
今すぐ結婚してっ!ヾ(≧∇≦)ノ
アホ市川。
ちなみに。
ヒルシュフェルトはこの映画に本人役で登場してます。
結構可愛いメガネっ子髭熊です。
髭熊ヒルシュフェルトたんかわゆす!
髭熊ヒルシュフェルトたん萌え~!
髭熊ヒルシュフェルトたん超受の薄い本描きたい~!
馬鹿市川。
いや、でも、ホントのこと言うと、ヒルシュフェルトの評価は実は難しいのです。
彼は男性同性愛者を「男性の肉体に女性の魂が入った存在」、女性同性愛者を「女性の肉体に男性の魂が入った存在」と、考えていました。
もちろん現代じゃそんな考え方はしないですが、当時でも他の色々もあり、「えー、それは違うんじゃねー?マジ-?ヒルシュフェルト超うぜー、むっちゃうぜーんすけど」とか言う捉えられ方もあった人です。
まあ平たく言えば、髭熊ヒルシュフェルトたんは「同性愛が異常だなんてのは、19世紀、非科学的な時代の考え方!そんな考え方はナーンセーンス!20世紀は科学の時代!科学的にきちんと研究した結果、同性愛は異常でもなんでもないのであります!」と、言っておりました。
100年前に。
そして、当時ドイツにあった同性愛を犯罪とする刑法175条の撤廃を訴えていたのでした。
「同性愛なんて犯罪よ、犯罪っ、犯罪なんだからっ!」というドイツの刑法175条は、20世紀初頭を通じて問題視されておりました。これが原因でスキャンダルが起こったり、ゆすりのような犯罪が横行したり、自殺などが起こったりしたので。
でも残念なことに、ナチスが政権を取る頃までに撤廃は間に合わず(色んな人達が撤廃署名活動とかしたのよ。でも1929年の世界大恐慌が原因でそれどころじゃなくなっちゃったの)、後に「正しい社会を乱す存在」として同性愛者を大量処刑する、ホロコーストの理由を、ナチスに与えてしまったものです。
そうなのよー。生まれる時代と場所を間違っていたら、市川もガス室で殺されていたわけです。
よくても、収容所で全裸で走らされてナチスの銃の訓練の標的にされて殺される、とかね。
Σ( ̄Д ̄;)そんなのヤダ!
あ、ちなみに。
トーマス・マンが書いた耽美ホモ小説(なのか?)「ヴェニスに死す」は1912年に発表。
まあ、大戦間時代よりホントにちょっと前なのだが、その辺は勘弁しねえ。雰囲気雰囲気。
実はその後、「(バンッと机を叩いて起立っ。学級会で発言する例の調子で)何で同性愛者がこんな風に不幸にならなくちゃいけないんですか?おかしいと思います!同性愛者だから不幸にならなくちゃいけないだなんてストーリー、納得出来ません!『ヴェニスに死す』横暴横暴反対反対~!」(学級会っていつでもこんな感じ)という評価があったんだそーで(笑)(要出典、どこでそれを見掛けたか忘れちゃった(笑))。
この映画が作られた大戦間時代というのは、意外とそんなこんなの時代でござりました。
長くなるので明日に「つづく」!ヾ(≧∇≦)ノツヅクヨ!!
Σ( ̄Д ̄;)あっ、ここに書いてあること、超大雑把だからっ。「市川、学術的に正しくねえ」「市川、いい加減なこと言ってる」とか、その辺はスルーしてスルー!てへぺろっ♪
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