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サンクトペテルブルグの件

2011 年 11 月 23 日

ゲイ漫画家・田亀源五郎先生と文化人類学者・砂川秀樹さんが、サンクトペテルブルグの「LGBTのオープン化禁止法」について、Twitterで色々懸念されていたことをご存じの方もいらっしゃることと思います。

ざっと言えば、サンクトペテルブルグで、「未成年の健全育成のために」LGBTが自分たちのことをオープンにして生きることを禁止する法案が可決されました可決されるかどうかの、非常に危険な状態にあります(※法案については新聞記事が出てからの世界中の抗議によって30日まで再審議になったとのことです。ただし予断は許されず、All Out等を通して出来るだけ多くの声がまだまだ欲しいとのこと。現段階では「可決されるかどうかの、非常に危険な状態にあります」と書くべきでした。本当に申し訳ありません。全ての原因は素人の自分が「わー、大変大変」と一人で焦って余計なことをしてしまったせいです<11月24日現在>)。元々ロシアは同性愛に対しての嫌悪が強い上に、LGBTの人たちが社会的権利を求めて声を上げることを苦々しく眺めていた。そして議員達は票田も確保したい。こうした思惑がからみあって、未成年者の健全育成という錦の御旗を掲げることで、社会的少数者であるLGBTから基本的人権である「言論の自由」がいとも簡単に奪われてしまったう。これは本当に恐ろしいことだと思います

まず最初に田亀先生が「こんなことが起こってるよ!」とTwitterで伝えてくださったのですが、その際にこの事件を伝える新聞記事が英語版だったので、市川、無茶苦茶ラフな翻訳を作りました。何かねー、色々心配になっちゃうからー。

お二方がこの問題について一体何をどのように懸念されているのかは、砂川さんがまとめられましたのでこちらにリンクを貼りますね。

「日本全体がDADT」(砂川秀樹さんのブログ)

それと、田亀先生がヴァルター・シュピースのことから考えられた懸念についてのブログのリンクも貼っておきます。サンクトペテルブルグの件そのものではないのですが、まさに、それが不安なんだよなあ、と言うことが書かれています。

『タブウ』およびヴァルター・シュピース追補(田亀源五郎先生のブログ)

で。

サンクトペテルブルグの事件について書かれた記事、翻訳家ではないので、高校生みたいな翻訳です。ホント、この程度なのです。どうかその辺は勘弁してください。。゜(゜´Д`゜)゜。誤訳の山もいっぱいある上に、ゲイやらLGBTやらの単語の統一とか出来てないし、専門用語もきちんと調べてないし、政治用語だって混乱してるし、酷い拙さに顔から火が出そうです。「プロパガンダ」という単語が重要な上に多数出てくるのですが、直訳してしまえば「啓蒙」「政治宣伝」。でも文脈的に平たく言えば「公共の場でLGBTであることを言うこと、見せること」です。おおまかに「ええっ、そんなことが!?」と言って頂ければ……。そのうちどなたか本職で優秀な方がしっかりした訳を作って頂けることと思います……。「こんなレベルの翻訳なんかしてんじゃねーよタァコ!」、ぎゃーっ、そのとおりですっ、石を投げないでーっヾ(≧口≦)ノ

そしてこの問題に対してALL OUTというところで反対署名を行っています。そちらへのリンクも貼っておきますね。

ロシア/ペテルブルグの「LGBTオープン化禁止法」に反対するALL OUTの署名ページ

もーう、市川、月末なんだから原稿ちゃんと描いてろよって感じっスよね(T-T)。

■<記事1>サンクトペテルブルグ市、オープンなゲイに罰金を科する可能性
(原文はこちら)

ソヴィエト時代への戻るかのように、サンクトペテルブルグ市は暫定的に、性的指向を公言するゲイやレズビアンに罰金を科す法案を承認しました。

法案は、未成年者が目にするような場面で、ゲイ・プライドパレードや、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーなどのLGBTのライフスタイルについて、表現すること、討論することを禁止するものです。法案では更に奇妙なことに、こうした行為を犯罪である小児性愛と並記しています。

ゲイの人権活動家たちは、この法案を「中世的」だと非難し、法律専門家が法案の合法性について疑問を持っているにもかかわらず、選挙を前にして世間の注目を集めようとする行為であるに過ぎないと述べています。しかし議員はこの法案が、むしろ厳しさに欠けていることこそが問題であるとしています。

地元の通信社フォンタンカによれば、この法案では、未成年者が目にする可能性がある形で、ゲイ、レズビアン、バイセクシャル、トランスセクシャルであることを促進するような個人に対しては、3000~5000ルーブル($100$160)、組織の場合には5000ルーブルまでの罰金を科すものとしています。

統一ロシア党が議席を占めているサンクトペテルブルグの立法府は火曜日、その日第一読解の中で、この法案を37対1、欠席1で可決しました。この法案が可決するには後2回の読解が必要ですが、それがいつに設定されるのかは決まっていません。

「性的倒錯を良しとする風潮は、我々の子供達に悪い影響を与える」と、この法案の起草者である統一ロシア党の代議士ヴィタリー・ミロノフは言っていると、フォンタンカは伝えています。

自由民主党議員のイェレナ・バビッチは、サンクトペテルブルグ市を祝う祝日に、街のあちこちに掲げられるレインボーカラーの装飾ですら、同性愛を推進するものであると非難しています。

このサンクトペテルブルグの法案は、9月にアルカンゲルスク地域で通過した法案とほとんど同じ物として提案されました。2006年にはリヤザン地域で同様の法案が可決されています。

この法案はLGBTのライフスタイルを政治的に伝える行為だけを禁止していますが、結局は伝統的ではないセクシャリティーがどのような形であれ公にされることを全面的に禁止しているものです。何故ならば、未成年者がそうしたものに触れないようにすることはどのような形であっても不可能だからなのです、と、雑誌「オギョノフ」はこの夏にアルカンゲルスク地域で提案された法案について述べていました。

サンクトペテルブルグの同性愛者の人権活動家たちは、個人デモという、行政からの許可が必要とされない形をとって、火曜日にこの法案反対の姿勢を示しました。彼らはさらに欧州人権裁判所にこの件を上訴することにしました。

この法案は世間に広く存在する同性愛嫌悪を利用し、124日のデュマ州の選挙に勝つことを目的としたものだと、LGBTのグループ、ヴクホッドの代表イゴール・コチェコフは述べています。

「この法案は、サンクトペテルブルグで人気を失いつつある統一ロシア党が人気取りのために通過させた法案です」、コチェコフは電話で答えました。「この法案はまるで中世そのもの、時代遅れのものです」、と。

他の活動家マリア・ヤフレメンコヴァはこの法案は、綴り間違いすらある「未熟なもの」だと非難していると、ロスバルト通信社は伝えています。

地元テレビ局、ナヴァ24によれば、火曜日にはサンクトペテルブルグ立法府の議長、ヴァディム・チュルパノフはそのことについて、「不完全ではある」と認めたとのことです。しかし、チュルパノフは、未成年者に対してLGBTのライフスタイルを促すことを犯罪とすることについて、もっと厳しくするべきであったと加えています。

この法案は例え不完全なものであっても、1993年まで同性愛が刑事犯であったロシア全土には、物議をもたらすことになります。

1999年には、健康と社会健全育成庁(?)は、社会的に認められている病気の連邦リストから正式に同性愛を外しました。しかし大衆のほとんどは今でも同性愛嫌悪を抱いており、政治家や右派グループは自分たちの評判を考えてLGBTの人権のために立ち上がることには躊躇し続けてきたのです。

サンクトペテルブルグのゲイコミュニティーは、何年もプライドマーチの許可を求め続けてきましたが、行政によって認められませんでした。正式に許可のないイベントは機動隊や国粋主義者による弾圧につながっていました。モスクワの前市長、ユーリ・ラズコフはこうした一連の行為自体を「悪魔的である」とすら言っています。

ヤスティナ法律事務所のデミトリ・シュビンは、憲法にはゲイの人権についての明確な定義がないので、ロシアの法律にはこの問題の解釈についてはまだ余地があると言っています。

憲法は、ひとつの社会のグループが、他の社会のグループの人権を侵害するとしても、社会全体が何に関心があるのかのバランスを考慮にいれるものだ、と、シュビンは電話で答えています。つまりは、同性愛者ではない社会の多数派が、LGBTの権利を制限することが出来てしまうということです。

しかしこれは地方レベルの法ではなく、連邦法によって達成されるものなので、同性愛者は法的解釈を理由に新しい法案に対決することは可能であると彼は言っています。

それでもなお、この法案は「巧妙な言葉選び」で作られています。それは、LGBTとしての生き方を政治的に宣伝することだけを禁じるものであり、行為そのものを禁じているわけではないということ、そして小児性愛と同性愛を同じレベルのものとして公共の目にさらすようにしていることである、とシュビンは述べています。

市議会議員が未成年者を同性愛者のプロパガンダから守ることは危急の課題であると言っていますが、サンクトペテルブルグの教育者たちはこうしたキャンペーンの登場に驚いています。

「この問題について教育現場では『問わず、語らず』の姿勢をとっています」、この問題が複雑なことを含んでいるために身分を明かさないようにと、頼んだ上である教師は述べました。

「LGBTの問題は私たち教育現場では持ち上がってきていませんし、この問題に焦点をあてることはありません。私たちは生徒に対してアルコール、麻薬、AIDS、性感染症の危険について語ることはありますが、LGBTの問題については決して語ることはありません」、その教師は述べています。

■同性愛者を不可視にする条例法案
(もとの記事はこちら)

この条例法案は「統一ロシア」を率いる、プーチンとメドヴェージェフによって提案されたもので、水曜日にサンクトペテルスブルグにおいて、27対1で可決されたものです。欠席は1名でした。

この条例法案は「小児性愛者、レズビアン、バイセクシャル、トランスジェンダー等のプロパガンダを目的とした行為を、子供の面前で公共に行うこと」を禁止し、最大で1600ドルの罰金を課すというものです。

LGBTアクティビストのグループ、All Outは、「この条例はペンの力で数億人もの人々を社会的に不可視状態にしてしまうものである」として、この条例法案に反対するキャンペーンを始めました。

All Outはこの条例法案の曖昧さはすぐにでも、ゲイやレズビアン、トランスジェンダーであることについて、本や記事を書いたり、公共の場で意見を述べる人間を、効果的に犯罪者としてしまうことにつながる、法的乱用の危険を含んでいるものとして、反対を表明しています。

アソシエイト・プレスによれば、ゲイ・ロシアのニコライ・アレクサンダーはこの条例法案を「恥ずべきもの」と表現し、「この条例法案は理論的には、子供がいる可能性があれば、どこでも誰でも取り締まることが出来るのです」と述べています。

同性愛は1993年にロシアで犯罪ではなくなりました。そしてロシアはレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーそのものを犯罪とすることに反対する条約に署名しました。しかし法的禁止が撤廃されても、ロシア社会としては同性愛嫌悪の意見が残っていました。

英国の政治活動家ピーター・タッチェンは2007年に、ゲイ・プライドマーチに参加した際、モスクワで極右活動家によって襲撃されました。モスクワ当局は、ロシア国内の同性愛者禁止法がなくなったことから14年目を祝うプライドマーチを、以前禁止したこともありました。モスクワ市長はその際、LGBTのそのような行為を「悪魔の所行」と呼んでいました。

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