【写真集】A Class Apart
タイトル「A Class Apart」
著者： ジェームス・ガーディナー(James Gardiner)
出版社：Serpent’s Tail社（1992年）
概要：
1893年生まれのイギリスの写真家・建築家モンタギュー・グローバー。彼の雑役係として働きながらも、50年来の恋人・パートナーとして生きたラルフ・ホール。まだ同性愛者という存在が、「存在するべきではない」と考えられていた時代のイギリス社会で、彼らはどうやって生きたのか。グローバーの写真を通して、そうした人々の様子、社会の姿を描き出した写真集です。
紹介：
モンティ（モンタギュー）とラルフの関係は、1930年頃にはじまり、1987年、モンティが他界するまで続きました。当時のイギリスにおける同性愛者とは、「絶対に存在してはいけない存在」、であり、ゲイだと言うことが世間に知られ、自殺に追い込まれた人達も少なくありません。こんな中、裕福な資産家モンティがラルフを「雑役係」とて雇うことで同居をし、共に生きてゆくことができたのは、幸運以外の何物でもありませんでした。ふたりの関係は、海外ドラマ「ダウントンアビー」の時代を考えてもらえれば、そんなに違いはないんじゃないかな。
この本には第二次世界大戦でラルフが出征し、その間にふたりの間で交わされた手紙も収録されています。何度も繰り返される「愛しているよ、会いたいよ」の言葉は、5年間、離れて暮らさなければならなった、ふたりの気持ちを今も鮮明に伝えています。
また、ラルフの他に、モンティが撮った当時の男達の写真も幾つも掲載されています。こうした写真は実はモンティのプライベートな「ズリネタ」でありました。本には当時の同性愛者たちの生き方（王宮衛兵達が男たち相手に……等のビックリ情報も）などについての考察なども端的に書かれていて非常に興味深い写真集です
詳しい経緯は分からないんですが、編者ジェームス・ガーディナーが、偶然ガレージセールに出されていた写真を見つけたことでこの本が作られたそうです。もしガーディナーが発見しなかったら。もし彼がこの写真を世に発表しなかったら。モンティとラルフが送ることが出来た希有な人生は、誰にも知られることが無かったかもしれません。
http://www.amazon.com/Class-Apart-Private-Pictures-Montague/dp/1852422505
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