[映画]1914年の映画「A Florida Enchantment」
A Florida Enchantment
1914年
アメリカ合衆国
63分
うむー。
同性愛者が登場する1910年代の映画ってことで、1914年に発表されたアメリカの映画、「A Florida Enchantment(フロリダの魅惑)」。
一応、アメリカで一番最初にバイセクシャルが描かれた映画!とかレズビアンラブが描かれている映画とか言われてるんだけどさー。
どーこーがーよーーーーーーーーーっ!
もうもうもうもうもうっ、無駄にした人生の63分を返してちょうだいっ!
えーとね。
手っ取り早く言えば、「とりかえばや物語」です。
女の人が男に、男の人が女に入れ替わるコメディ。
………………もうそれだけで、何だかなーって感じでしょう?
あーのーねーーーーーーーーーーっ!
そーゆーことで、こちとら「あはは、あはは」と笑うよーなタマじゃねえんだよっ。しかもこれのどこがLGBT映画よ!? 嗚呼、ホントにアメリカンだわ。この5年後にヒルシュフェルトたんが発表した映画とは比ぶべくもありまへん。
しかもさー。
人種差別のヒドイことヒドイこと。
当時のアメリカの価値観ではこうなんだろうけどさあ。
まあ、現代の感覚を当時に持って行っちゃ駄目なんだけどさあぁあああああああ。
そうなのだ、過去の歴史に現代の感覚を持っていくと、見えるものが見えなくなっちゃう。
それでも、嗚呼、ホントにアメリカン…………。
映画「紅○豚」でマダム・ジーナがドナルド・カーチスに言うのである。
「この国はね、あなたの国と違ってもうちょっと物事が複雑なの」
確かこんなセリフだったと思う。
無論コンテキストは全く違うと思う。
でもホント、こういうのを観ちゃうと目ん玉を上に上げて、このセリフを頭に浮かべずにはいられない。
やれやれ。
とりあえずあらすじ。
レッツラゴー。
<あらすじ>
主人公リリアン・トラヴァースは北部の裕福な家の娘。彼女は許嫁、フレデリック・カサデーン医師に会うためにフロリダにやってきた。ところが様々が誤解がもとで、フレデリックが自分のことを大事にしてくれない、と、思いこんでしまったリリアン。そんなある日偶然見つけた魔法の種を飲み込んだところ、リリアンの心は男に変身。フレデリックを尻目に次から次へと周囲の女達を魅了してまわる。驚いて心配するフレデリックだが、リリアンは意に介さない。ついには男の服に着替えて、ローレンス・トラヴァースになってしまう。彼女が変わったことが魔法の種であることをつきとめたフレデリックは、それを飲み込んでしまい、今度は女になってしまう。彼らに巻き込まれた周囲は大騒動になり…………。ふと気がつくと、リリアンは元の場所でうたたねから目が覚めたところだった。すべては夢だったのだ。リリアンは元通り、そしてその脇には優しく笑うフレデリックの姿があった。
惜しむらくは、主人公リリアン・トラヴァースが周囲の女達をナンパして回るところとか、結構格好いいのである。フレデリックから煙草を取り上げて、2,3口だけ吸ってぽいっと捨てるとことか。リリアン演じる女優、エディス・ストーリーもすきっとして、当時ありがちな甘~い感じだけの女優さんとは何か違うし。それなのにそれなのに……。最後、リリアンがローレンスとして幸せに元気に生きていきましたって終わりだったら良かったのになあと思うですよ。無論当時の価値観からしたら、そんなこたぁ望むべくもありませんがね。(´・ω・`)ショボン
(嗚呼しかしね。ホントにね。えーとうっかりすっかり忘れておりましたが、当時のアメリカの状況は分からないのだけど、当時は映画にも検閲ってもんがあったのよね。「これは正しくない!」「これは正しい!」「これは国民が観て良い!」「これは国民が観てはならない!」ってゆー感じよね。そうした状況の中で、実は異性装をする、そしてそれをコメディで表現する、ということは、当時の検閲基準の中では相当ギリギリだったのかもしれません。ヒルシュフェルトたんの映画が1919年にしてあの内容で発表出来たのは、実は第一次大戦が終わってドイツが検閲を無くした、ということが理由でもあったらしいの。ドイツの映画検閲の状況についてはまだ詳しいことが分からないので、「こうだ!」みたいなことは言えませんが。そういうことをきちんと踏まえた上で、色々考えなきゃいけないなーと、ちょっと反省した後日なのでした。ホントにね焚書と検閲は駄目絶対ってヤツよ)
【宣伝】
通販サイトBOOTHにて市川和秀同人誌など通信販売してますー!あと旧同人誌作品のダウンロード販売もやってますです。
ハンクチャンネルにて漫画「おまわりさんスイッチ」も配信しています。宜しくお願いしまーす。