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BBCドラマ「Christopher and His Kind」

2015 年 7 月 5 日 Comments off

いつか日本でも放送してくれればなー、と思うのですが(されてるのかしら?)、2011年にBBC制作、クリストファー・イシャーウッドの小説のドラマ化、「Christopher and His Kind」DVDのご紹介。ナチスが政権を取った頃のベルリンに滞在した、クリストファーの自伝的小説を90分のテレビドラマ化したものです。自分のセクシャリティに悩んだり、人生に行き詰まったクリストファーは母国イギリスを離れて、ドイツ、ベルリンに滞在します。んでそこで色々な人々と出会ったり、男同士で恋愛したり、ゲイバーに行ったりとかするの。ドラマとして物凄く山あり谷ありではないのですが、淡々と時の移ろいに巻き込まれてゆく人々の姿が描かれます。

クリストファー・イシャーウッドは映画「キャバレー」の原作となった、小説「さらばベルリン」とかを書いた人です。

 

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主演は「ドクターWHO」のマット・スミス。BBCって言えばNHKみたいなものかと思うんですが、男同士であんなことやこんなことをする姿が描かれています(無論、ドラマとしての必然性なので激しくはないですがー)。確かタイムスリップSF「ドクターWHO」の制作チームが作ったのだけれど、惜しむらく、惜しむらくは当時の男性スーツの形が違うのよう(笑)。もっと野暮ったい感じでダボダボなのよう、特にスーツのパンツとか(笑)。スーツの形がねえ、イマドキのタイト目な形なのでねえ……いやいやいや、そんなことは些末なことでございまする。

BBC drama, “Christopher and His Kind” (Wikipedia)

Christopher_and_His_Kind_DVD

カテゴリー: 映画 タグ:

[映画]1914年の映画「A Florida Enchantment」

2015 年 3 月 4 日 Comments off

A-florida-enchantment-1914-advert

A Florida Enchantment
1914年

アメリカ合衆国
63分

 

うむー。
同性愛者が登場する1910年代の映画ってことで、1914年に発表されたアメリカの映画、「A Florida Enchantment(フロリダの魅惑)」。
一応、アメリカで一番最初にバイセクシャルが描かれた映画!とかレズビアンラブが描かれている映画とか言われてるんだけどさー。

 

どーこーがーよーーーーーーーーーっ!

 

もうもうもうもうもうっ、無駄にした人生の63分を返してちょうだいっ!

えーとね。
手っ取り早く言えば、「とりかえばや物語」です。
女の人が男に、男の人が女に入れ替わるコメディ。
………………もうそれだけで、何だかなーって感じでしょう?

 

あーのーねーーーーーーーーーーっ!

 

そーゆーことで、こちとら「あはは、あはは」と笑うよーなタマじゃねえんだよっ。しかもこれのどこがLGBT映画よ!? 嗚呼、ホントにアメリカンだわ。この5年後にヒルシュフェルトたんが発表した映画とは比ぶべくもありまへん。

 

しかもさー。
人種差別のヒドイことヒドイこと。
当時のアメリカの価値観ではこうなんだろうけどさあ。
まあ、現代の感覚を当時に持って行っちゃ駄目なんだけどさあぁあああああああ。
そうなのだ、過去の歴史に現代の感覚を持っていくと、見えるものが見えなくなっちゃう。
それでも、嗚呼、ホントにアメリカン…………。

 

映画「紅○豚」でマダム・ジーナがドナルド・カーチスに言うのである。

 

「この国はね、あなたの国と違ってもうちょっと物事が複雑なの」

 

確かこんなセリフだったと思う。
無論コンテキストは全く違うと思う。
でもホント、こういうのを観ちゃうと目ん玉を上に上げて、このセリフを頭に浮かべずにはいられない。

 

やれやれ。

 

とりあえずあらすじ。
レッツラゴー。

 

<あらすじ>
主人公リリアン・トラヴァースは北部の裕福な家の娘。彼女は許嫁、フレデリック・カサデーン医師に会うためにフロリダにやってきた。ところが様々が誤解がもとで、フレデリックが自分のことを大事にしてくれない、と、思いこんでしまったリリアン。そんなある日偶然見つけた魔法の種を飲み込んだところ、リリアンの心は男に変身。フレデリックを尻目に次から次へと周囲の女達を魅了してまわる。驚いて心配するフレデリックだが、リリアンは意に介さない。ついには男の服に着替えて、ローレンス・トラヴァースになってしまう。彼女が変わったことが魔法の種であることをつきとめたフレデリックは、それを飲み込んでしまい、今度は女になってしまう。彼らに巻き込まれた周囲は大騒動になり…………。ふと気がつくと、リリアンは元の場所でうたたねから目が覚めたところだった。すべては夢だったのだ。リリアンは元通り、そしてその脇には優しく笑うフレデリックの姿があった。

 

惜しむらくは、主人公リリアン・トラヴァースが周囲の女達をナンパして回るところとか、結構格好いいのである。フレデリックから煙草を取り上げて、2,3口だけ吸ってぽいっと捨てるとことか。リリアン演じる女優、エディス・ストーリーもすきっとして、当時ありがちな甘~い感じだけの女優さんとは何か違うし。それなのにそれなのに……。最後、リリアンがローレンスとして幸せに元気に生きていきましたって終わりだったら良かったのになあと思うですよ。無論当時の価値観からしたら、そんなこたぁ望むべくもありませんがね。(´・ω・`)ショボン

(嗚呼しかしね。ホントにね。えーとうっかりすっかり忘れておりましたが、当時のアメリカの状況は分からないのだけど、当時は映画にも検閲ってもんがあったのよね。「これは正しくない!」「これは正しい!」「これは国民が観て良い!」「これは国民が観てはならない!」ってゆー感じよね。そうした状況の中で、実は異性装をする、そしてそれをコメディで表現する、ということは、当時の検閲基準の中では相当ギリギリだったのかもしれません。ヒルシュフェルトたんの映画が1919年にしてあの内容で発表出来たのは、実は第一次大戦が終わってドイツが検閲を無くした、ということが理由でもあったらしいの。ドイツの映画検閲の状況についてはまだ詳しいことが分からないので、「こうだ!」みたいなことは言えませんが。そういうことをきちんと踏まえた上で、色々考えなきゃいけないなーと、ちょっと反省した後日なのでした。ホントにね焚書と検閲は駄目絶対ってヤツよ)

 

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[映画]1919年のゲイ映画「ディファレント・フロム・ジ・アザーズ」3

2015 年 2 月 13 日 Comments off

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映画「Different from the Others (ディファレント・フロム・ジ・アザーズ)」
1919年ドイツ 49分
監督:リカルト・オズヴァルド
脚本:マグヌス・ヒルシュフェルト/リカルト・オズヴァルド

 

さてさて、映画のあらすじ。
と、思ったんですが、結局このままだとわけわからんので、ざざざっとストーリーをば少し細かく書きましたわい。てか、結構長めだ!(;´Д`)

しかし、考えて見たら、この映画、1919年の段階にして同性愛者の人生の描写のエッセンスてんこ盛りなのね。親に結婚しろ!と強制されたり、ノンケ女性に恋心を寄せられててんやわんやするとか、自分のセクシャリティーを隠すために周囲の人間と距離を置いて勉学に集中する姿とか、お前がホモだってバラすぞ!と脅迫されて追い詰められたり。
エッセンスだけ取り出して舞台を現代にしても、全然普通に漫画とか描けちゃう。
まあ、100年前から色々変わってないってことでございます。悲しいことに。
変わったことは、勿論沢山あるんですが。

それと刑法175条の補足。175条については、実は「ホモだ!」と警察に言われた人間が捕まるだけではなく、「ホモだ!」と警察に連絡した側も「密告罪」で掴まるという、何だか不思議なシステムになっていたのです。そのため密告する側も、次第に密告を考えるようになってしまい、警察の側もその辺の色々がホントに煩雑で面倒になってしまい、いつしか意識は同性愛者を取り締まってうんぬんかんぬんなんやかんやで手続きが煩わしくて面倒なことになるよりは、ちゃちゃっと流しの売春婦の取り締まりをしたほーが早いや、ってことになっていってたそうです。なのでみんな何となーく空文化してる、とどこか思ってしまっていたわけですな、175条を。ナチスが凶器として振り回すようになるまではね。(´・ω・`)トホホ (まあその辺はそんな簡単ではない感じなんだけど、これまた後日にでも)

しかし最後の最後、ホントに最後のシーンはお説教節炸裂です。んでも、当時の「問題提議」を含んだ映画には、結構ありがち、と言いますか……。
教育・理性・知識・知能至上主義の時代だからこそと申しますか……。
一応、「啓蒙映画」というジャンルに分類されていたのよ、当時も(英語だとenlightmentなんちゃらってヤツなんだけど、該当するドイツ語忘れた!)。
この頃制作されたサスペンス映画「M」(児童誘拐犯をとりあげた、この映画、結構面白いです)も、最後に一発決めぜりふが、こんな感じで登場しますですよ。

ぎゃー、映画「M」!この話をはじめると、手塚先生の漫画「ペーター・キュテルンの日記」だとか「三文オペラ」だとかの話をしたくなってしまふwww ホモ関係ねーし脱線しまくりwwww

でーはー、レッツラゴー!

 

<ストーリー>
著名なバイオリニストでもある主人公ポール・キュナーは、新 聞に様々な記事が載っているのを目にする。

「工場のオーナーH、結婚直前に謎の自殺」
「巡回裁判判事、拳銃で謎の自殺」
「将来有望視されていた学生 H.W.、服毒自殺。原因は不明」

ポールはふと考えるのだった。これらは全て刑法175条が原因なのだ、と。
不幸にも命を途中で自ら途中で絶たなければ ならなかった人々の姿が、彼の頭の中をよぎる。

ある日、ポールに憧れる青年カート・シヴァースがバイオリンを習いにやってくる。段々と親しくな ってゆくふたりだが、カートの家族は、バイオリンなど役に立たないものを習うのではなく、早々に結婚するべきだ主張する。カートは裕福 な未亡人との見合いを強制されるが、その場から逃げ出してしまう。困惑するカートの両親。そんな彼らをポールは「性の科学者」ヒルシュフェルト博士のもと に連れて行くのだった。ヒルシュフェルトは、カートが同性愛者であることを両親に告げ、それが至極自然なことであり、忌むべきことでも犯罪でもなく、そも そもの問題は社会の側にあることを教える。

こうした日々を過ごしながらカートとポールは、さらに愛情を深め合ってゆく。
ところがそんなふたりの姿見つめる 怪しい男の姿があった。

ヒルシュフェルトの話を聞いたにもかかわらず、カートの両親はカートとポールがこれ以上会うことを禁止してしまう。悲嘆に暮れるカートは、姉・エルサにポールと面会し、自分の両親に会ってくれるように頼んでくれと願う。

そ んな中、再び例の不審な男が姿を現す。その男の名はフランツ・ボレック。フランツとポールはかつてゲイのクラブイベントで出会った間柄だった。ところがフ ランツは、刑法175条を盾に、「お前がホモだと世間に バラすぞ!バラされればどうなるか分かっているんだろうな?」とポールをゆすり続けてきていたのだった。フランツはカートとのことを新たなネタに、さらに ゆすりをかけてくる。

エリスから頼まれた通りカートの両親と会うポール。話し合いの末、両親はとりあえずはカートがバイオリニストになることを許すことを約束する。カートは喜び、いつか人々の前で演奏できることになる日を夢見てバイオリンの練習に励むのだった。

一 方、フランツの脅迫は続く。「もうこれ以上我慢できない」と、フランツの脅迫を押しのけるポール。ところが、ポールのコンサートでカートが演奏す ることになったことを知ったフランツはさらに別の方法で金をゆすることを決心する。コンサート当日の夜、ポールの屋敷に忍び込むフランツ。金や新たなゆすりのネタを 探すフランツの姿を発見したカートは、フランツに立ち向かう。格闘になる二人だが、フランツは吐き捨てるように言う。「結局、お前だってポールに金を払っ てもらってるようなもんだろう!」。

その言葉にショックをうけたカートは、ポールのところから姿を消してしまう。カートの書き残した手紙をポールに見せるエリス。「エリス、僕は自分で自分の道を切り開く。探さないでくれ」、そこにはそんな言葉が書かれていた。嘆き悲しむポールの髪を優しくなでながら慰めるエリス。しかし、ポールはエリスの中に、自分への愛情が芽生えていることに気づき、それを拒否する。傷つき、立ち去るエリス。

カートは町の外れにあるパブで、音楽を演奏しながら生計を立てていた。しかしパブの経営者の娘はカートに迫り、キスをしようとする。それを拒否するカート。怒った娘は父親であるパブの経営者に、「カードが自分にキスを迫った」と嘘をつく。その結果、カートはパブを追い出されてしまうことに……。カートは途方に暮れるしか無かった。

一人孤独になってしまったポールは、学生寮で暮らしていた自分の子供時代のことを思い出していた。同級生のマックスとキスを交わしているところを教師に発見されてしまったポールは放校処分を受ける。その後、大学生になったポールは、周囲の人々とは距離を置き、脇目も振らずに勉強だけに専念していた。同級生たちに無理矢理女遊びに連れ出されるポール。異性になびかないポールに、売春宿のおかみが言う、「あれがまっとうな男だって言うなら、あたしゃ処女だよ!」 自分のセクシャリティを変えるために、催眠治療を受けるポール。結局そのようなものは効果があるわけもなく、ポールは性の科学者・ヒルシュフェルト博士を訪ねた。「同性愛というものは自然なことであり、社会のどこにでも存在するものなのだよ」、ヒルシュフェルトは言う。そしてまた、ポールはフランツとの出会いを思い出していた。どこで出会い、どのように脅迫がはじまったのか……。

どうにか悲しみを乗り越えつつあったポールはエリスを連 れて、ヒルシュフェルト博士の講演を聴きにに出掛ける。博士は「同性愛ということはどういうことなのか」を説明し、そしてフランス革命以来、人間とい うものが法の基準となった現在、同性愛者を犯罪者として差別してはならないのだ、と説く。講演を聴き終えたエリスは言う。「私とあなたは結婚できないのね。同性愛ということがどういうこ とか分かりました。これからは良い友達になりましょうね」

しかし、事態は再び悪い方に動き出してしまった。
フランツはポールが同性愛者だと警察に密告し、ふたりは法廷に立つこと になったのだ。エリスの働きかけでヒルシュフェルトが法廷に立ち、ポールのために発言をしたものの、結果、フランツは密告罪で3年間の刑、ポールは1週間 の収監が決定した。

例え1週間の刑期であったとしても、それ以降世間がポールを見る目は冷たくなり、誰もが彼を敬遠するようになってしまう。ポールのヴァ イオリンコンサートもキャンセルされ、エージェントも彼との契約を破棄してくる。執事すらどこかよそよそしい。全てを喪った今、ポールの目には、今まで同 じような苦しみで死んでいった 人々の姿が映り、自分もまさにその列に加わるのだ、と感じていた。そしてポールの実の父親ですら、『真っ当な人間なら自分の選ぶべき道が分かるはずだ』と 非難 する。

ついにポールの心は折れ、自ら命を絶ってしまう。
ポールの死を知り、葬儀に駆けつけるカート。カートが葬儀に現れたことに、ポールの親族たちは動揺す る。そんな彼らにエリスは言う、「いいわ。お好きになさい。あなた達も、社会も、ポールの死が何だったのか、その良心とやらにとどめておけばいいのよ」。 ポールの後を追おうとするカートにヒルシュフェルトは言う、「死ぬのではなく、ポールが犠牲になった偏見に立ち向かって生きてゆきなさい」。そして彼は言葉を続ける。「私たちの前にいた人々たち、私たちと共にいる人々たち、そして私たちの後に続く人々たちの尊厳を取り戻すために。理性による裁きを!」と。

 

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